ザ マグリットのコンセプトの原形、ナイト・クラブ “ネルズ”
1996年に誕生した、初代マグリットホールは、1980年代後半を代表する、ニューヨークのナイト・クラブ、“ネルズ”がコンセプトの原形となりました。(2004年5月30日閉店)
▲ Nell Campbell Of Nell's Restaurant / オーナー
ネルズ - Wikipedia
人気の絶頂にあった頃のネルズは、たとえ有名人であっても入場を断られることがあることで知られていました。
弊社社長が、ニューヨーク在住中にネルズの会員に申込み、運よく会員となることができました。会員は、入場料が無料になる特典があります。この特典をフル活用して、数えきれないほど、このネルズに通うようになります。
ネルズ会員の通知
ネルズ (Nell's) は、ニューヨークのマンハッタン中心部、西14丁目246番地にあったナイト・クラブ。ここには看板すらありません。
現在の246 W 14th St, New York, NY
30年前の Nell's のマッチ(右上)
M.K./銀行をナイトクラブにした1980年代人気のクラブ
The River Cafe/New Yorkの絶景レストラン
Alfredo's/1977年にオープンしたイタリアンレストラン
OMEN/SOHO地区にある創業35年の老舗和食レストラン
この店は、新しい店なのにわざと古く見えるようにデザインされていました。店に入ると照明はほとんどなく、黒のカーテンで覆われた受付スペースがあり、まるで「オペラ座の怪人」を思わせるような、クラシックな雰囲気が漂います。
1階はバーとレストランフロアになっていて、地階に下りると、たくさんのヴィンテージのソファが置かれたラウンジがあり、さながら広いリビングルームのようです。厚手の黒いカーテンの向こうには、キャンドルの灯りと少しの照明だけのダンスフロアがありました。
ネルズ/1階バー&レストランフロアー
天井のペイントはわざと古く見えるように、エンジ色に塗装した上を白いペンキでかすれるように塗装してあり、厚手のベルベットのカーテンが掛けられ、クラシックな古めかしい家具が、まるでディズニーランドのホーンテッド・マンションのように置かれてある。
巨大でボロボロに朽ちた鏡、そして、おどろおどろしいシャンデリア。
その中で最新鋭のサウンドシステムから最先端の音楽が鳴り響き、バーカウンターではスーパーモデルのようなバーテンダーがお酒をつくり、センスのいいお洒落に着飾った人たちが踊っている。
ひとつの空間に、相反する新しいものと古いものを融合させ、それは一見、統一性がないように見えて、実際はトータルでまとまっているという、実に緻密なデザインでした。まさに、シュル・レアリスムのディペイズマンを現実にしたかのような空間でした。
ニューヨークのパーティー会場や人が集うところは、人間の本能や感情をよく理解した上で、細部まで計算してつくられているように思います。
そこには、誰もがワクワクする空間、集まった人たちが勝手に盛り上がってしまう空気感が存在していました。
マグリットホールは、この”ネルズ“のような空間をイメージしてつくられたのです。
初代ザ マグリットホール 1996年
マグリットホールⅡ
株式会社マグリット
専務取締役 羽原正人
THE MAGRITTE @partylabo.