THE MAGRITTE Museum vol.1 『リスニングルーム』ルネ・マグリット
はじめに
THE MAGRITTEには、ルネ・マグリットをはじめとする、様々な絵画や有名デザイナーの家具が並んでいます。
それはまるで、Museum(ミュージアム/美術館)のよう。
シリーズとして、その作品の数々をご紹介させていただきます。
あなたがTHE MAGRITTEの館内に足を踏み入れることがありましたら、是非、その作品たちを探してみてください。
▲上部写真は、ルネ・マグリットの象徴的な帽子をモチーフに作成された照明器具。THE MAGRITTE館内。
ルネ・マグリットの代表作「リスニングルーム」
ポール・マッカートニーは、 マグリットの“リスニングルーム”という青いりんごの絵を所有していました。
ザ・ビートルズが、自ら1968年に設立したレコードレーベル“アップル・レコード”のシンボルマークは、ポール・マッカートニーが所有するマグリットの絵をモチーフにデザインされた、と言われています。
左の1952年作は、テキサス州ニューストンのメニル・コレクションが所蔵しており、右の1958年作は、個人蔵ですので、恐らくこの絵をポール・マッカートニーが所蔵しているとの見解を示す方もいます。
しかし、ベルギー王立美術館の公認解説者である、森耕冶先生によりますと、このリスニングルームは、マグリットが多くのコピーを描いているらしく、同じ年に複数の同タイトル作品が存在しているようです。
ただ、驚くことに、1969年にジェフ・ベック・グループがリリースした2nd アルバム「Beck-Ola」は、このリスニングルームをそのままレコードジャケットにしていることです。
ある物体を本来あるべきところから、別のところへ移すことで新しい美やイメージを創り出す「デペイズマン」方法を利用した代表的な作品で、巨大化した緑のリンゴが部屋いっぱいに配置されています。
1952年版は背景が木製の床と白のトリム、そしてガラス窓となっていますが、1958年版はアーチ型の窓と灰色のレンガ造りの部屋に変更されています。
緑のリンゴはマグリット作品において頻繁に使われるモチーフで、ほかに有名なものでは「人の子」「大いなる戦い」「旅の思い出」などがあります。
マグリットにとって緑のリンゴは「見えるもの」と「見えないもの」の間における「永遠の緊張」や「神秘性」を象徴するもので、マグリットのセルフポートレイト作品のいくつかで、自分の姿を曖昧な状態にするために緑のリンゴを使っています。
また、ある物体が本来ありえないサイズで描かれるデペイズマン手法でもあり、これと似た作品では巨大な卵の「選択的親和力」や巨大な岩が空に浮かんでいる「ピレネーの城」などがあります。
ポール・マッカートニーが、マグリットのファンであることは有名で、1933年作成の「人間の条件」をヒントに“ウィングス”のレコードジャケットをデザインしたといわれるものがあります。
株式会社マグリット
専務取締役 羽原正人
THE MAGRITTE @partylabo.
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